雁国の事情4/1



「陽子から教えて貰った、 "えいぷりるふーる"なる風習な」
延王がにやにやしながら声を潜める。
「つまり、おおっぴらに嘘をついても咎められない、というのだから、ここはひとつ、普段つけないような大法螺を吹いてやろうと思うのだ」
などと、ひとり悦に入っている己の飼い主を、しらーと見つめる延麒は、ばかにしたようなため息をついた。
「お前の嘘など今更なにを…。そういうのは、普段嘘などつかない、そう、まさに陽子みたいな真面目な人間ほど効果があるんだよ」

…はるか彼方の慶国で、真面目な陽子が何をやらかしたのか、この時点で延麒は知らない。

「ふふふ…。まあ、明日の朝議を楽しみにしておれ。どうせお前は騙されないだろうから、法螺吐き宣言だけはしておいてやる」

くだらない

延麒はそう思ったのだが…





翌朝、官吏の声は悲鳴に変わった。
「覿面の罪だ!!!」
こともあろうに延王は、延は慶を吸収合併する!とほざいたのだ。
「雁州国は慶東国を吸収合併!これは王命である!」

どうなる雁国、どうする延王!?



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